こんばんは。気づけば9月になりました。
暑さも和らぐと見せかけてまだまだ蒸すし、かと思えばヒンヤリしたデパ地下では上着がほしくなる、季節の変わり目です。
6月ごろから最愛の祖母の調子が変化しまして、心がざわめいていました。
ここのところ祖母は、3日眠って2日起きる生活。痩せて、声も細くなりました。
私の誕生日前日にはいつものように電話をかけてきてくれて、話せば冗談に笑ったりもするんだけれど、なんだかとても小さくなった祖母。その変化を受け入れる準備ができていなかった私は、会いにいくたびに「背骨は曲がっているものの口は達者なおしゃべりばあさん」だったころの祖母を思い出して泣いてしまっています。
誰だっていつまでも同じではいられないと頭ではわかっているのに。
自分だって、鏡を見ればもうすっかり年相応の様相です。美容院にいく時間が取れず、髪の毛は伸び放題で、白髪が増えたことがよくわかります。
母も祖母も真っ白なグレイヘアなので私もいつかそうなるんですが、過渡期の現在は、
「あ、ここにも。ここにも。ああ、増えたなあ」
と(前向きに加齢を受け入れたいのはやまやまなのに)どうしても気にしてしまうのが正直なところ。
それで、ふと、シラガという言葉の響きが良くないんじゃないかな、と思ったんです。別の呼び名をつければ少しは気が紛れるかもしれない。まあ、それで世の中に『グレイヘア』が浸透したんだと思うのですが、それもまだちょっと違う……。いつか真っ白になる前の、今の状態を、表す言葉……
「エルフ化」はどうだろう。
幼少よりファンタジーの世界が大好きで、妖精辞典を読みこみ、独学で白魔術を覚えようとしていた私です。髪が白くなっていくのは、自然に近づいている=エルフ化が進んでいるという設定で暮らしてみるのはどうだろう。
私は、人間界で、人間のふりをして生きているエルフ一族の末裔(という設定)。
母も祖母もエルフに戻っていってて、その娘である私もとうとうエルフ化が始まった(という設定)。髪が白くなるのは「エルフの証」。
今はまだ人間たちを驚かせてしまうから、エルフだとバレないように染めたりするけど、いつか完全なエルフ化のときがきたら、ちゃんと正体を明かそう……(という設定)。
パートナーにも、
「これからは『白髪あるよ』じゃなくて『エルフの証が見えてるよ』と言ってほしい」
と伝えました。
物語を使うのが、私の「ものごとを受け入れる方法」のひとつなのかもしれません。来週、またおばあちゃんに会いにいってきます。
それでは、また。
今日も読んでくださり、ありがとうございます。
季節の変わり目ですので、どうぞご自愛くださいね。